2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本各地域に合った渇水緩和対策の提案~ダムか人工林間伐か?~
Project/Area Number |
20780119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小松 光 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 助教 (70432953)
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Keywords | 水資源涵養・水質 / 人工林 / 間伐 / ダム / 渇水緩和 |
Research Abstract |
本研究は、日本全国の各地域を対象に、ダム・森林管理による渇水時の流量増加を定量化し、各地域に合った渇水緩和対策を提案するものである。 平成20年度には,全国の45のダムについて,ダムによる渇水時流出量の増加の定量をすでに行っていた.平成21年度には,森林管理による渇水時流出量の増加を算定すたるモデルを作成し,それを上記の45のダム流城に適用した. 45のダム流域のうち,森林管理による渇水時流出量の増加がダムによる渇水時流出量の増加を上回っていたものは6流域であり,残りの39流域では森林管理による渇水時流出畳の増加がダムによる渇水時流出量の増加を下回っていた.さらに25流域については,森林管理による渇水時流出量の増加が,ダムによる渇水時流出量の増加の20%以下であった.このような結果から,森林管理による渇水時流出量の増加はダムに及ばないことが多いことが明らかとなった. 従来,森林管理による渇水時流出量の増加を算定する計測研究は数多ぐ行われてきた.しかし,それらの研究では,計測された渇水時流出量の増加がダムによる渇水時流出量の増加と比較されることがなかった.このため,水資源確保において,森林管理がほかの方法に比べてどの程度有効か明らかでなかった. これは,ダムによる渇水時流出量の増加の算定法の確立,森林管理による渇水時流出量増加のモデル化が成功していなかったからである.本研究はこの2点において成功をおさめ,水資源確保における森林管理の有効性を明らかにした初めての研究である.
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Research Products
(14 results)