• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2009 Fiscal Year Annual Research Report

電子スピン共鳴法を用いたラジカル反応によるリグニン分解機構の解明

Research Project

Project/Area Number 20780128
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

大橋 康典  Kyoto University, 生存圏研究所, 研究員 (50467437)

Keywords木質バイオマス / 新エネルギー / リグニン分解 / ラジカル反応 / 結合解離エネルギー / 電子スピン共鳴
Research Abstract

1. ESR実験
昨年度にセットアップ済みのUV-ESR装置を用いて、アゾ化合物由来カーボンセンターラジカルとリグニンモデル化合物(LMC)との反応で生成するラジカルを測定した。具体的には、アゾ化合物及びLMCを石英セル中に採取してESR装置にセットし、UV照射を行うことで初発ラジカルをin situで発生させ、これをLMCと反応させることで生成するLMCラジカルのESRスペクトルを直接測定した。その結果、ベラトリルアルコールをLMCとして用いた際にはACVAおよびAAPH由来カーボンセンターラジカルが、二量体型の非フェノール性LMCを用いた際にはAIBNおよびACVA由来カーボンセンターラジカルがそれぞれLMCと反応することが明らかになった。一方、AMVN由来ラジカルはどちらとも反応しなかった。AAPH由来ラジカルおよび二量体LMCとの反応は溶媒への溶解度の関係でおこなわなかった。
2. 分子軌道計算
Wavefunction社製Spartan'06を用いて、リグニンモデル化合物(A-H)がA・+H・となる際の結合解離エネルギーおよび種々のカーボンセンターラジカル(C・)が水素原子(H・)を引きぬいて安定化する(C-H)際のエネルギー変化を比較した。その結果、ベラトリルアルコールと二量体LMCでは、ベラトリルアルコールの方が水素を引き抜かれにくいことが明らかになった。また、水素原子を得ることによるカーボンセンターラジカルの安定化エネルギーに関しては、より安定化するものからAAPH、ACVA、AIBN、AMVN由来ラジカルの順となった。この値はラジカルによる水素原子の引き抜きの強さの指標となる。本計算の結果は、上記ESR実験における各LMCおよびカーボンセンターラジカルとの反応性と強い相関がみられた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2009

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] フリーラジカルによるリグニンモデル化合物の反応部位に関する研究(2)2009

    • Author(s)
      大橋康典
    • Organizer
      第54回リグニン討論会
    • Place of Presentation
      青岡県男共同参画センター「あざれあ」
    • Year and Date
      2009-10-29

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi