2009 Fiscal Year Annual Research Report
一般魚類ではみられない、淡水カジカ類の異型精子の機能解明と精子保存への機能利用
Project/Area Number |
20780140
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
田原 大輔 Fukui Prefectural University, 海洋生物資源学部, 講師 (20295538)
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Keywords | 淡水カジカ類 / 異型精子 / 精子凍結保存 / 人工授精 / 精子多型 |
Research Abstract |
1. 異型精子の形成要因・メカニズムの解明 異型精子の形成要因を解明するために,両側回遊魚であるカジカ小卵型を用いて未成熟期の夏から産卵期まで,日長と水温を制御した飼育試験を行った.しかし,実験終了直前の11月に,飼育水の汚濁により飼育個体が死亡したため実験は不成立に終わった.来年度,再実験を行う予定である. 降河回遊型のカマキリの産卵前後における,飼育水への異型精子放出の有無を調べたところ,産卵後に飼育水中に異型精子様物質が検出された.この物質が異型精子であるか否かを検討中である. 2. 精子凍結保存法の確立 環境水のイオン濃度が、400mOsm/kg(200mM NaCl)から1000mOsm/kg(500mM NaCl)で高い運動精子率を示した.この結果は,カマキリの産卵が汽水から海水で行われることを反映していた. カマキリ精子凍結保存条件のために,4種類の凍結防止剤(ジメチルスルフォキサイド:DMSO、メタノール:MeOH、エタノール:EtOH、グリセロール)で希釈した時の運動精子率から,凍結防止剤に対する薬剤耐性を調べた.その結果,カマキリ精子の薬剤耐性はDMSO, MeOHで最も高かった,つぎに,凍結保存し解凍後の運動精子率から,カマキリ精子の凍結保存耐性を検討した。その結果,DMSOを用いて凍結解凍後の運動精子率が88%と著しく高かった.これより,カマキリ精子の凍結保存には,凍結防止剤としてDMSOが適していることが分かった.
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