2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780159
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内山 智裕 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (80378322)
|
Keywords | 企業参入 / 食品リサイクル / リサイクルループ / 生産契約 |
Research Abstract |
国内外における企業の農業参入について, 従来注目されていなかった新たな論点を析出すベく, 研究を進めた。 国内では, 農業参入を行う業種として食品製造業の原料調達など「動脈」視点での参入が専ら注目されているのに対し, 食品リサイクルという「静脈」視点で廃棄物処理業者等の参入が増加する可能性を示すとともに, 当該業種による農地取得には処分場用途もあり, 農地の適正利用の確保が課題となることを指摘した。また, 食品関連業種においても, 従来は農地を取得する方式での農業参入が専ら注目されてきたが, 農商工連携など農地取得に限定されない形での農業参入についても調査研究を進めている。 国外では, 米国における企業の農業参入規制の動向および農地取得にこだわらない農業参入方式として生産契約の活用による参入実態について現地調査を行った。米国中西部では農地取得に州レベルでの規制が存在し、企業の農業参入の抑止策となっているが, 農地取得ではなく生産契約形態での参入も進行している。生産契約は専ら畜産分野で活用が進み, 90年代後半には耕種分野での普及も予測されていた。2008年夏に行った調査では, 実際には耕種における生産契約の普及は進んでいないことが明らかになった。また, 種子生産において普及している生産契約の契約実態について分析を行い, 種子生産では適作地が限られることもあり, 生産者が著しく不利になるような契約内容とはなっていないことを明らかにした。
|