2009 Fiscal Year Annual Research Report
菜の花多段階活用型ビジネスモデルの存立要件に関する研究
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20780164
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
渡部 岳陽 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 助教 (10371014)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 環境調和型農林水産 / 自然共生 / バイオマス / 二酸化炭素排出削減 |
Research Abstract |
本年度は、秋田県内の多段階活用の取組みをサーベイし、多段階活用の進捗状況及び今後の取組みの水準を向上させるための課題について明らかにした。 菜の花栽培からバイオ燃料製造・利用に至る各段階において価値を生み出しうるこの取組みが普及することは、秋田県農業・農村が危機的状況を脱するために有効な手段である。取組みが始まり5年足らずであるが、秋田県の菜の花栽培面積は全国トップレベルであり、搾油施設も3つ整備されるまでになっている。とはいえ、油の原料となる菜種の生産基盤はいまだ脆弱であり、今後、菜種生産を拡大し、菜種油の原料となる菜種のロットを確保していくためには、農家が菜の花栽培に本気で取り組み、菜種単収の向上を追求できる環境が整わなければならない。行政や農協といった地域の指導機関は栽培推進の意志を明確に提示するとともに、菜の花栽培に対する技術的、経済的支援を継続的に行うことが必要である。技術面については、NPOや大学等研究機関と連携をとりながら、もう一手間かければ単収が伸びることを実証的に示し、農家の単収増大への意欲を喚起させることが重要になる。加えて、単収増大に対する経済的インセンティブを農家に与えるためにも、菜種買取額の引き上げとそれを可能とする秋田県産菜種油の販売体制確立に向けて、産学官が連携して取り組んでいくことが求められよう。
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Research Products
(5 results)