2008 Fiscal Year Annual Research Report
含水率低下に伴う流動性変化を考慮した乾式メタン発酵モデルの構築
Project/Area Number |
20780188
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
遠藤 良輔 Nihon University, 大学院・総合科学研究科, 助手 (10409146)
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Keywords | メタン発酵 / 再生可能エネルギー / バイオマス |
Research Abstract |
当該年度ではまず. グルコース粉末添加時の乾式メタン発酵による累積バイオガス生成量の経時変化について調べた。実験開始より約3時間後からバイオガスの発生が見られた。ガスの発生速度は, 1日目では湿式メタン発酵試験区より大きい傾向が見られたが, その後発生速度は減少した。しかし, 湿式メタン発酵試験区では3日目以降にガス発生量がほほ横ばいになったのに対し, 乾式メタン発酵試験区ではガス発生速度は実験開始から100時間を経過しても極端に小さくなることはなかった。最終的なガス蓄積量は乾式メタン発酵試験区の方がやや大きかった。なお. 同一試験区におけるサンプル間のばらつきは, 特に3日目以降で湿式メタン発酵に比べて大きく, バイアル瓶内での一連のメタン発酵反応が不均一な条件下で行われたことを示唆していた。 続いて, 混合材料の有機固形物を用いた乾式メタン発酵実験を行った。本実験では, 最初のガス発生までに約三日を要し, 実験期間中のガス発生速度は湿式試験区より大きくなることはなかった。また, 同一試験区におけるサンプル間のばらつきも大きかった。実験システムを改良し, 反応槽内を撹拌させる実験を行ったところ, ガス発生速度は劇的に改善された。また, サンプル間のばらつきも小さくなった。 これらの結果から, 乾式メタン発酵では主に加水分解の前段階において, 内容物の物理的崩壊が低速もしくは不均一に行われるために初期の発生速度が遅くなっていることが示唆された。これは, ADM1モデルに, 内容物の物理的崩壊に関するパラメータを加えることで表現できると考えられる。
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