2009 Fiscal Year Annual Research Report
離乳前後の子牛における消化管ホルモンと栄養因子のクロストーク
Project/Area Number |
20780193
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉野 利久 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 助教 (90363035)
|
Keywords | 子牛 / 早期離乳 / グレリン / GLP-1 / 消化管ホルモン |
Research Abstract |
本研究は,「早期離乳は子牛の発育停滞を引き起こす」という問題の改善に向けた基礎的知見を得るために,消化管ホルモンであるGLP-1とghrelinに着目し,消化吸収機構の変化に伴う血中代謝産物の変化およびGHやインスリンなどの主要代謝ホルモンの変化との相互関係を明らかにすることを目的としている。昨年度の結果から,血中GLP-1およびghrelin濃度の日齢進行に伴う変化は,血中VFAおよびグルコース濃度の変化と相関があることを明らかにした。そこで本年度は,VFAおよびグルコースが日齢進行に伴う血中GLP-1およびghrelin濃度の変化に及ぼす影響を明らかにするため,離乳前後の子牛を用いて,静脈内へのVFAおよびグルコース投与がGLP-1およびghrelin分泌に及ぼす影響を検討し,以下の成果を得た。 1. 離乳前の主要吸収エネルギー源であるグルコースは,GLP-1およびghrelin分泌に生来的に影響しない。 2. 離乳後の主要吸収エネルギー源であるVFAは,GLP-1およびghrelin分泌に生来的に影響し,GLP-1分泌には促進的に,ghrelin分泌には抑制的に作用する。 以上から,消化管ホルモン分泌に対するVFAの効果を生来的に反芻動物は有していることが考えられ,このことが発育停滞の一因となる可能性が考えられた。
|
Research Products
(6 results)