2008 Fiscal Year Annual Research Report
除草家畜としてガチョウを見直す-安全・安心な果樹生産システムの構築に向けて-
Project/Area Number |
20780194
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高山 耕二 Kagoshima University, 農学部, 准教授 (50381190)
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Keywords | ガチョウ / 梨園 / 除草利用 / 草資源の飼料利用 / ガチョウ肉 |
Research Abstract |
ガチョウ放飼による安全・安心な果樹生産システムを構築することを目的として, 1)ガチョウ放飼に適した柵の種類, 2)梨園におけるガチョウ放飼の技術的効果, 3)梨園放飼したガチョウの成長・産肉性について検討を行った. 得られた成果は以下のとおりである. 1) 果樹園に放飼したガチョウの園外への逃走防止を目的に, ネット柵, 電気柵, ネット式電気柵の脱柵防止効果を比較したところ, 後2者の脱柵防止効果が大きいことが明らかになった2)梨園に放飼したガチョウの除草効果は顕著であるものの, 一部の植物種(イヌタデ, ツユクサなど)に対する嗜好性は低いことが明らかとなった. 日中6時間当たりの排泄糞量(新鮮重量)は182g/羽であり, N, P, K含量はそれぞれ3.0, 0.6, 2.7%であった. 土壌化学成分に対するガチョウ放飼の影響はみられなかった. 3)梨園に優占するイヌビエに対するガチョウの消化率は粗蛋白質91.4%, 粗脂肪96.5%, 粗繊維28.3%およびNFE73, 7%であり, その栄養価は419cal/gであった. 4週齢より緑餌(イタリアンライグラス)のみを給与し, 9週齢より梨園に放飼した雌ガチョウは28週齢の時点で2, 675gまで成長し, 穀物飼料を不断給餌した雌ガチョウの体重3, 233gには劣る(P<0.05)ものの, 草資源のみ(穀物飼料無給)である程度の成長を示すことが明らかになった. 肉の食味性については, 穀物飼料を給与したガチョウ肉に比べ劣るものの, 肉の化学成分には両者の間に差はみられなかった.
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Research Products
(2 results)