Research Abstract |
草食性の水田であるガチョウを除草家畜として見直すと同時に,ガチョウ放飼による安全・安心な果樹の生産システムを構築することを目的として,以下の1)~4)について検討を行った. 1)ブルーベリー園における除草利用 17aのブルーベリー園にガチョウ10羽を放飼したところ,ガチョウは園内に繁茂したイネ科雑草を活発に採食し,高い除草効果を示した.その一方で,放飼したガチョウはブルーベリーの樹葉や樹皮を採食せず,下草管理に有効であることが示された. 2)ツバキ園における除草利用 1aのツバキ園にガチョウ8羽を放飼したところ,ガチョウはスギナなど園内に繁茂した野草を活発に採食し,高い除草効果を示した.その一方で,放飼したガチョウはツバキの樹葉や樹皮を採食せず,下草管理に有効であることが示された. 3)野菜園における除草利用 2aの野菜園に夏野菜8種類(エダマメ,トウモロコシ,サツマイモ,サトイモ,ナス,ピーマン,ミニトマト,オクラ)および冬野菜5種類(ダイコン,タマネギ,ニンニク,ソラマメ,エンドウ)を栽培し,そこにガチョウを3~5羽放飼したところ,ガチョウは高い除草能力を示したものの,野菜への採食被害も同時にみられた.しかしながら,サトイモとピーマンに対する採食はみられず,両種の栽培におけるガチョウの除草利用の可能性が示された. 4)大麦における除草利用 2aの大麦畑(出穂期)にガチョウ3羽を放飼したところ,大麦に対する採食被害がみられたことから,ガチョウの除草利用は困難であることが明らかになった.
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