2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA鑑定による国産銘柄鶏、特にさつま地鶏の市場価値と食の安全・安心に関する研究
Project/Area Number |
20780200
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下桐 猛 Kagoshima University, 農学部, 助教 (40315403)
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Keywords | 育種学 / 畜産学 / ゲノム / 動物 |
Research Abstract |
DNA鑑定や個体識別システムの構築について、(1)安価、(2)信頼性を損なわないことに留意して、本年度は下記の2点を検討した。 1) 安価なゲノムDNA抽出法の検討→ガラスろ紙法 2) DNA鑑定に用いる解析システムの構築→DigiTag2法 1) について、ニワトリのゲノムDNA抽出法には植物のそれで成果を挙げているガラスろ紙を用いた抽出法を応用した。その結果、1検体当たり20円程度でニワトリ血液からゲノムDNAの抽出が行え、約7kbのゲノム領域をPCR法により検出できた。また、サンプルを吸着させたろ紙を1ヶ月程度保存してもゲノムDNAの抽出が可能であることが分かった。 2) について、わが国で開発された安価でかつ信頼性の高いDigiTag2法による個体識別技術の開発を行った。その結果、理論上では約1京羽のニワトリの個体識別が可能な技術を開発することが出来た。現在、わが国の食鳥出荷羽数は年間約7億羽であり、全世界で約200億羽のニワトリが飼養されているが、それらを十分に識別可能であることが示唆された。本法は、1検体あたり、2000円程度で行える。 以上、今回構築したシステムを利用すれば、安価にニワトリの個体識別やDNA鑑定が可能となることが示され、わが国の食の安全・安心に高く貢献できる技術であると考えている。
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Research Products
(4 results)