2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA鑑定による国産銘柄鶏、特にさつま地鶏の市場価値と食の安全・安心に関する研究
Project/Area Number |
20780200
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下桐 猛 Kagoshima University, 農学部, 助教 (40315403)
|
Keywords | ゲノム / 畜産学 / 遺伝学 |
Research Abstract |
さつま地鶏は、薩摩鶏とロードアイランドレッドを交雑して得られる銘柄鶏である。今年度は、昨年度開発したDigiTag2法によるニワトリSNPs解析システムを用いて、薩摩鶏とロードアイランドレッドを含む5鶏品種の解析を行い、品種鑑定の可能性を検討した。 供試材料は、薩摩鶏20、インギー鶏19、ロードアイランドレッド19、ブロイラー(コブ)17、レイヤー(デカルブXL)14の計5品種89羽のゲノムDNAであった。判定された遺伝子型から2個体聞の識別能力を表す総合同値確率を計算した。また、遺伝子型のデータから近隣結合法(NJ)による系統樹解析を行った。 DigiTag2解析の結果、1) 供試した89羽の個体識別ができた。2) 総合同値確率は8.00×10^<-20>と計算され、10^<19>羽程度のニワトリの識別が可能であることが示唆された。全世界のニワトリの飼養羽数が1.73×10^<10>羽(FAO,2008)であることから、現在の解析で十分な識別能を有することが示唆された。3) NJ系統樹は5集団がそれぞれ独立したクラスターを構成し、分類することが出来たので、SNPを用いた品種識別技術への応用の可能性が示唆された。また、ブロイラーとロードアイランドレッド、薩摩鶏が遺伝的に近く、インギーとレイヤーが離れて位置づけられた。 以上、ニワトリSNPs検出システムを確立し、鶏集団に利用できた。まだ供試数が少ない等の改良点があるものの、本システムを有効に利用すれば、鶏集団の遺伝構造の解析や遺伝的類縁関係、品種識別を効率的に行えるものと期待される。
|
Research Products
(12 results)