2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブタNKT細胞の増殖・分離方法の確立およびその性状解析
Project/Area Number |
20780213
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小川 智子 National Institute of Agrobiological Sciences, 家畜ゲノム研究ユニット, 任期付研究員 (90466011)
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Keywords | 免疫学 / 獣医学 / ブタ / NKT細胞 / CD1 |
Research Abstract |
これまで免疫機能の活性化や制御には、MHC分子に提示されるタンパク抗原を用いてT細胞(獲得免疫系)に直接働きかけるという手段がとられていた。しかし近年、自然免疫系の活性化が獲得免疫の活性化と密接に関与していることや、ペプチド以外にもCD1分子による脂質抗原提示の系が存在することなどが明らかとなってきた。そこで本研究では、自然免疫と獲得免疫の両方の機能を合わせ持ち、かつCD1d分子で特異的に活性化することが報告されているNKT細胞をターゲットとして、ブタにおけるMHC以外の系を用いた新しい免疫機能活性化のシステムの確立を目指す。特に本課題では、ブタNKT細胞の分離方法ならびに機能的特徴を明らかにし、活性化の条件を決定することを目的とする。 当該年度は主にNKT細胞の細胞表面マーカーに着目し、ブタNKT細胞の存在についての確認を行った。FACSによりブタ末梢血中のNK細胞(CD8^+CD16^+リンパ球)画分の中にT細胞も存在することが確認された。また、ヒトでは一部のNKT細胞(type I NKT細胞=iNKT細胞)において特定のV分節遺伝子を持つTCR配列(TCRVα24/TCRVβ11)が発現していることが報告されている。ブタについてもそれらTCR配列のクローニングを行い、この配列と相同性の高い配列をもつTCR α/β鎖遺伝子のブタ末梢血中での発現を確認した。これらのブタTCR遺伝子にコードされる分子では、iNKT細胞による抗原認識において重要であることがヒトでの解析で示されているアミノ酸残基が保存されており、ブタにおいてもiNKT細胞の存在が強く示唆された。
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