2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780223
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉原 智史 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80401181)
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Keywords | 獣医学 / 遺伝性疾患 / 分子病態 / 診断法 / 疾患モデル |
Research Abstract |
本研究は、ミニチュア・ダックスフンドにおける進行性網膜萎縮症について、疾患原因遺伝子 (RPGRIP1) の異常から生じる分子病態を明らかにすること目的とし、より確実な新規診断法の開発ならびに疾患モデル動物として確立することを目指している。平成20年度は、まず正常犬の組織から抽出したtotal RNAより、犬RPGRIP1の全長の同定を試みた。その結果、犬RPGRIP1には、いくつかのアイソフォームが存在することが明らかになった。それらのC末端領域はすべて共通していたが、N末端領域にいくつかのバリエーションが存在した。共通しているC末端領域は、関連蛋白質であるRPGRとの結合部位を含み、人やマウスと比較してもよく保存されていた。一方、既報 (Mellersh CS., et.al., Genomics, 88 : 293-301. 2006) で示された挿入変異が存在するExon2と予測された配列を含むアイソフォームの全長は得ることができなかった。以上のことから、犬RPGRIP1のN末端側は予測されていたN末端とは異なったものであり、そのため遺伝子型 (44b挿入変異の有無) と表現型 (発症の有無) が一致しない可能性が示された。これらを明らかにするために、今回得られた犬RPGRIP1について蛋白質発現を組織や培養細胞における発現解析で検討し、さらにRPGR蛋白質との結合解析、表現型に基づく遺伝子多型の探索を行う必要がある。平成21年度は以上について検証を進めていく予定である。
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