2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780223
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉原 智史 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80401181)
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Keywords | 獣医学 / 遺伝性疾患 / 分子病態 / 診断法 / 疾患モデル |
Research Abstract |
本研究は、ミニチュア・ダックスフンドにおける進行性網膜萎縮症について、疾患原因遺伝子(RPGRIP1)の異常から生じる分子病態を明らかにすること目的とし、より確実な新規診断法の開発ならびに疾患モデル動物として確立することを目指している。 平成21年度は前年度において得られたExon2を含まない犬RPGRIP1アイソフォームについて、培養細胞における発現系を用いて蛋白質発現についての検討を実施した。イムノブロット、免疫染色法において発現が確認された。よって犬RPGRIP1蛋白質においては、N末端側が異なりC末端領域が共通するアイソフォーム蛋白質が存在し、そのC末端領域は細胞における発現において重要であると考えられた。すなわち、既報にあるExon2における挿入変異が存在していても、他のアイソフォームの発現によって機能的に代償されている可能性が示され、変異をホモに持つ個体における表現型(発症の有無・発症時期)の差異が生じる機序の一部となっていることが示唆された。 また、C末端領域の遺伝子について発症犬・非発症犬(2頭ずつ)で比較検討を実施したが本研究期間中においては明らかな違いは認められなかった。
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