2008 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎の局所病態発現に及ぼすケラチノサイトの役割とその作用解析
Project/Area Number |
20780224
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大森 啓太郎 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (20466915)
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Keywords | アレルギー / 免疫 / 炎症 / 皮膚 / 動物 |
Research Abstract |
本年度は、アトピー性皮膚炎局所病態形成におけるケラチノサイトの役割を解明することを目的として、アトピー性皮膚炎自然発症マウス(NC/NgaTndマウス)を用いて、in vivoおよびin vitroにおけるケラチノサイトの特徴を解析した。NC/NgaTndマウスにおいては、アトピー性皮膚炎様症状の発現に伴い、表皮ケラチノサイトが経時的に肥厚していくことを病理学組織学的に確認した。次に、マウスケラチノサイト分離・培養方法を確立し、in vitroにおいてその特徴を解析した。生後3日以内の新生子マウスおよび8週齢以上のアダルトマウスから表皮細胞を分離し、ケラチノサイト培養用無血清培地において培養した結果、順調なケラチノサイトの細胞増殖が認められた。この方法を用いて、NC/NgaTndマウス由来のケラチノサイトと、C57BL/6マウスおよびBALB/cマウス由来のケラチノサイトにおいて、MTT法により細胞増殖速度を比較した。その結果、NC/NgaTndマウス由来のケラチノサイトにおいて、他系統のマウス由来ケラチノサイトよりも細胞増殖速度が亢進していた。現在、分子生物学的および免疫学的手法を用いて、NC/NgaTndマウスのケラチノサイト増殖に関与する因子をスクリーニングしている。また、in vivoにおけるケラチノサイトとマスト細胞などの炎症細胞とのクロストークを解析するため、Thymic stromal lymphopoietin(TSLP)などアレルギー発症に関与することが報告されている因子について、ケラチノサイトにおける発現を免疫染色法により解析している。
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Research Products
(5 results)