2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子FOXO1の翻訳後修飾と寿命決定メカニズムの解明
Project/Area Number |
20780237
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大徳 浩照 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (30361314)
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Keywords | FOXO1 / 翻訳後修飾 / 転写制御 / 寿命 / 線虫 |
Research Abstract |
1.PARP-1によるFOXO1のADPリボシル化と転写活性抑制機構の解明 申請者らはこれまでにFOXO1が様々な翻訳後修飾を受けることでその活性が調節されていることを報告してきたが、今回新たにFOXO1がPARP-1によってADPリボシル化されることを見出した。またPARP-1がFOXO1の転写活性を強力に抑制すること、さらにFOXO1標的遺伝子であるp27の発現抑制を介して細胞増殖を促進することを明らかにした。現段階ではADPリボシル化修飾と転写抑制の間に直接的な相関は見られていないが、FOXO1の活性化シグナルである酸化ストレスがPARP-1のADPリボシル化活性を亢進することから、酸化ストレス下における両者の機能的相互作用を現在検討中である。 2.DNA損傷応答機構におけるFOXO1の新規機能の解明 哺乳類細胞の大量培養系によるFOXO1複合体精製を行い、新規にDNA損傷応答に関わる因子を同定した。これまでに紫外線照射後のDNA損傷応答にFOXO1が必須であること、特に細胞周期のS期においてその影響が顕著であることを解明している。さらに最近、FOXO1のRNAiにより主要なDNA損傷シグナル因子であるCHK1のリン酸化が亢進することを明らかにしており、モデル生物である線虫を用いた遺伝学的解析においても、FOXO1が紫外線損傷応答に関与するというデータを得ている。本研究成果は、転写を介さないFOXO1の新たな機能を示唆するものであり、FOXO1の長寿遺伝子としての働きを考える上でも重要な知見であると考えられる。
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Research Products
(4 results)