2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子を用いた抗アレルギーDNAワクチンの腸管粘膜系における免疫応答機構の解明
Project/Area Number |
20780238
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
下里 剛士 Shinshu University, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (00467200)
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Keywords | DNAワクチン / 食物アレルギー |
Research Abstract |
【背景と目的】強力なプロモーターとその下流にコードされた抗原タンパク遺伝子を持つプラスミドDNA(pDNA)を利用したDNAワクチンは、感染症、アレルギー予防などへの応用が期待され、生産コストの面からも優れた次世代ワクチンとして注目されている。近年、腸管関連リンパ組織を主とした粘膜免疫学の発展により、粘膜免疫系の制御を目的とした経口型ワクチンの開発研究が盛んに行われるようになった。本研究では、食物アレルギー抗原をコードしたpDNAを用いたDNAワクチンの腸管免疫細胞における作用機序を解明し、また、ワクチンキャリアーとしてナノ粒子に注目し、免疫刺激性DNAをアジュバントとするDNAワクチンの新たなデリバリーシステムの構築と経口型DNAワクチンの開発を目指す。【方法】遺伝子バンクからの遺伝子情報に基づき、牛乳アレルゲン(βラクトグロブリン)、ソバアレルゲン16kDa分子、および鶏卵アレルゲン(卵白アルブミン(OVA))遺伝子を化学合成、またはクローニングし、発現ベクターへのサブクローニングを行った。また、DNAシーケンスにより遺伝子配列の確認を行った。【結果】食物アレルゲン遺伝子をコードした発現ベクター(DNAワクチン)の構築に成功した。定量的RT-PCR法によりマウス免疫細胞(脾臓細胞およびバイエル板細胞)において、ベクターコントロールと比較して強い抗アレルギー性応答を誘導することを見出した。現在、有効なDNAキャリアーのスクリーニングを行っており、経口投与による有効なDNAワクチンの開発に繋がるものと期待された。
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Research Products
(3 results)