2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物における混数性(mixoploidy)のエピジェネティクス
Project/Area Number |
20780240
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
鈴木 剛 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (10314444)
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Keywords | 育種学 / 遺伝学 / 植物 / 染色体 / バイオテクノロジー / エピジェネティクス / 形質転換体 / タバコ |
Research Abstract |
本研究は、形質転換タバコを材料に用いて、同じ個体で細胞によって染色体数が異なる混数性という現象について、BACなどのゲノムツールを用いながら、エピジェネティクスとの関連を追求することを目的としている。平成20年度は「BACライブラリーの作製」と「多数の押しつぶし標本の作製」を予定通り遂行することができ、BAC FISHによる染色体分布解析も開始した。BAC FISHでは、現在までにSゲノム・Tゲノム特異的なBACクローンが選抜できており、これらのクローンは混数性とエピジェネティクスについてゲノム特異的に調べるためのツールとして期待される。「in-situ nick translation法」に向けては、押しつぶし標本を作製しながら条件検討をしていく段階にある。遺伝解析としては、交配結果から「混数性の遺伝様式は母性遺伝ではない」ことが新たに明らかになったことから、混数性現象は核の因子により引き起こされていることが示唆され、エピジェネティクスとの関連から興味深い。また、新たに1個体の混数性形質転換体を作製することに成功し、その個体の導入遺伝子が1コピーだったことから、多コピー導入することが混数性発生の引き金として必須ではないことが分かった。今後は、形質転換時の引き金として考えられるゲノムショックが何であるかを検討するとともに、直接混数性を引き起こしている核因子についてエピジェネティクスな観点も取り入れて解明していきたい。
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