2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物における混数性(mixoploidy)のエピジェネティクス
Project/Area Number |
20780240
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
鈴木 剛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10314444)
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Keywords | 育種学 / 遺伝学 / 植物 / 染色体 / バイオテクノロジー / エピジェネティクス / 形質転換体 / タバコ |
Research Abstract |
本研究は、形質転換タバコを材料に用いて、同じ個体で細胞によって染色体数が異なる混数性という現象について、BACなどのゲノムツールを用いながら、エピジェネティクスとの関連を追及することを目的としている。我々は形質転換タバコ系統9-1を解析し、遺伝する何等かの核因子が混数性を引き起こしていることを明らかにしてきた。平成22年度は、前年度の「混数性時に染色体全体にわたってDNAメチル化程度が低下している」という結果を受け、DNAのメチル化と密接な関連があるヒストン修飾について調べることを試みた。ヒストンのメチル化において安定したデータが報告されているH3K4me2(ユークロマチン化傾向)とH3K9me2(ヘテロクロマチン化傾向)に対する抗体を用いて、免疫染色を行い、そのシグナル強度をImage Jを用いて数値化した。こうして出された数値から「ヘテロクロマチン傾向度」を算出し、混数性個体と正常個体とで比較を行った。現在、数値化するためのデータの標準化の試行錯誤を行っている最中であり、今後より多くのデータを集める必要があると考えられる。また、Sゲノム・Tゲノム特異的なBACクローンについては次世代シークエンスにより決定した塩基配列について解析を行った。平成23年度は最終年度として、これらBAC配列を利用した塩基レベルのDNAメチル化の解析や、ヒストン修飾に関するより多くのデータを取ることを行い、論文や学会などでの成果発表に向けて、データ整理・考察・総括を行う。
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