2011 Fiscal Year Annual Research Report
植物における混数性(mixoploidy)のエピジェネティクス
Project/Area Number |
20780240
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
鈴木 剛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10314444)
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Keywords | 育種学 / 遺伝学 / 植物 / 染色体 / バイオテクノロジー / エピジェネティクス / 形質転換体 / タバコ |
Research Abstract |
本研究は、形質転換タバコを材料に用いて、同じ個体で細胞によって染色体数が異なる混数性という現象について、BACなどのゲノムツールを用いながら、エピジェネティクスとの関連を追及することを目的としている。我々は形質転換タバコ系統9-1を解析し、遺伝する何等かの核因子が混数性を引き起こしていることを明らかにしてきた。平成23年度は最終年度として、「Bisulfite sequence法によるゲノムメチル化解析」「免疫染色法によるピストンのエピジェネティック修飾の解析」「サザン分析によるメチル化CG解析」の3つの実験を行い、論文などの成果発表に向けてデータ整理・考察・総括を行った。Blsulfite sequence法によるゲノムメチル化解析については、アクチン遺伝子Tob93について行うことができ、DNAレベルでシトシンのメチル化を調べた。ピストンのエピジェネティック状態については、染色体の指定範囲の自動化を行い、免疫染色のシグナルの数値を正確に比較することが可能となった。しかしながら、H3K9me2/H3K4me2の免疫染色シグナル値を比較したところ、混数性と正常個体の差は染色体全体レベルでは小さく、より細かくDNAレベルで調べる必要があると結論づけられた。従って、Bisulfite sequence法により、DNAレベルでその違いを明らかにすることが期待される。これまではアクチン遺伝子についてしか調べていないので、より多くの遺伝子・DNA配列について調べていく必要がある。今後は適宜マイクロアレイのデータを利用して、ターゲットを絞ってDNAメチル化比較を行っていく予定である。
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