2009 Fiscal Year Annual Research Report
塩生植物の完全長cDNAライブラリーを用いた機能獲得型変異株の単離と解析
Project/Area Number |
20780242
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
太治 輝昭 Tokyo University of Agriculture, 応用生物科学部, 助教 (60360583)
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Keywords | 遺伝子資源 / 環境ストレス耐性 / 耐塩性 / トランスジェニック植物 / 塩生植物 |
Research Abstract |
本研究では、自然界で優れた塩ストレス耐性を示す植物の耐性メカニズムを明らかとするため、モデル植物シロイヌナズナ近縁の塩生植物、Thellungiella、およびシロイヌナズナの耐塩性エコタイプを実験材料に用いて研究を行った。 シロイヌナズナ近縁の塩生植物、Thellungiella halophilaの完全長cDNAライブラリーを利用した機能獲得型変異株単離法、Full-length cDNA Overexpressor mutant hunting(FOX hunting)においては、シロイヌナズナにThellungiellaの遺伝子を形質転換し、得られた形質転換植物の塩・浸透圧・高温ストレス耐性を評価することによって、これらのストレスに耐性を付与できる遺伝子の探索を行った。これまでにストレス応答の関与が示唆される遺伝子群を中心に、約700の遺伝子については、8系統ずつの形質転換植物を得た。一方、シークエンスを得た9569遺伝子をランダムにシロイヌナズナに形質転換する方法を用いて、約3000の形質転換体を得た。これらを用いて、上記のストレス耐性を評価した結果、塩ストレス耐性を付与できる遺伝子を7個、浸透圧ストレス耐性を付与できる遺伝子を2個、高温ストレス耐性を付与できる遺伝子を3個見い出すことに成功した。 耐塩性シロイヌナズナエコタイプを用いた研究においては、遺伝学的な解析により、その耐性が第5染色体の1遺伝子座によって制御されていることが明らかにした(Katori et al.,2010 J.Exp.Bot.)。非常に興味深いことに、耐塩性を示した複数のエコタイプが、いずれも同じ遺伝子座によって耐性を得ていることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)