2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規高分子担持型ロジウム(II)錯体の創製と不斉合成反応への応用
Project/Area Number |
20790002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南部 寿則 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 助教 (80399956)
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / 不斉触媒反応 / 固相遷移金属 / 1,3-双極付加環化反応 / アミノ化反応 / ラジカル重合反応 / カルボニルイリド / ナイトレン |
Research Abstract |
最近我々は、当研究室で開発したキラルなロジウム(II)錯体Rh_2(S-PTTL)_4の固相への新規担持法を開発し、懸濁共重合反応により調製した不溶性高分子担持型Rh_2(S-PTTL)_4が芳香族不斉C-H挿入反応において母系錯体Rh_2(S-PTTL)_4と同程度の触媒活性および不斉収率を示し、かつ収率・不斉収率を損なうことなく100回の繰り返し使用が可能であることを見出した。以上の知見に基づき、新規高分子担持型ロジウム(II)錯体の創製と不斉合成反応への適用を検討し、本年度は以下の成果を得た。 1.最近当研究室では、カルボニルイリドの逆電子要請型不斉1,3-双極付加環化反応において、Rh_2(S-PTTL)_4のフタルイミド基の水素原子を塩素原子で置換した錯体Rh_2(S-TCPTTL)_4が特に優れた触媒活性および不斉識別能を示すことを見出している。不溶性高分子担持型Rh_2(S-PTTL)_4の調製法により新規不溶性高分子担持型Rh_2(S-TCPTTL)_4を合成し、α-ジアゾ-β-ケトエステル由来のカルボニルイリドとスチレンとの分子間不斉1,3-双極付加環化反応に適用したところ、多少の収率の低下を伴うものの母系錯体Rh_2(S-TCPTTL)_4と同等の不斉収率(99% ee)が得られることが分かった。 2.不溶性高分子担持型Rh_2(S-TCPTTL)_4を用いる反応における収率低下の原因は、本固相錯体の反応溶媒中での膨潤性の低下によるものであると想定し、より膨潤性の高い不溶性高分子担持型Rh_2(S-TCPTTL)_4を設計し、合成した。本固相錯体をカルボニルイリドとスチレンとの不斉付加環化反応に用いた結果、期待通り収率の向上が見られた。さらに、本固相錯体をガラス管に充填したフローリアクターを用いることで、均一系に近い結果を得ることに成功した。
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Research Products
(4 results)