2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規不斉ホスフェニウム塩触媒の開発と不斉四置換炭素構築反応への展開
Project/Area Number |
20790006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
原田 真至 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (10451759)
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Keywords | 有機化学 / 不斉触媒 / ホスフェニウム塩 / ホスフェニウムカチオン / リン / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
本プロジェクトの基盤として触媒中心であるホスフェニウムカチオンの反応性を精査することが重要であるとの考えから、アルデヒドやアルドイミン等の比較的反応性の高い求電子剤を使用したラセミ反応の検討から行い、触媒調製法と詳細な反応条件の確立を目指した。その結果、Danishefsky type dieneを用いる触媒的Hetero-Diels-Alder反応が室温にて進行することを見出した。しかしながら、反応系は非常に複雑であった。特にdieneの分解を如何に抑えるかが重要だったが、リン配位子を添加することによりこの問題を克服した。また、グローブボックス内で調製した触媒の方が活性は高いものの、通常の実験台で実験操作・調製した触媒についても触媒量を5 mol%用いれば十分に反応は進行し、高収率で望みの成績体を得ることが出来た。さらに、31P NMRによる解析の結果、触媒調製時にホスフェニウム塩が生じていることを確かめた。これらの結果から、ホスフェニウムカチオンがルイス酸性触媒中心として働きうる事が明らかとなり、ホスフェニウム塩の新たな機能を見出した。次年度は不斉触媒化および基質の適用範囲拡大に向けた研究を行っていく予定である。
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