2009 Fiscal Year Annual Research Report
連続的炭素-炭素結合形成反応を機軸とする含八員環天然有機化合物の合成研究
Project/Area Number |
20790011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 道子 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30379888)
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Keywords | 全合成 / 「3+4」アニュレーション / 八員環化合物 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,含八員環天然有機化合物Asteriscanolideおよび(+)-Prelaureatinの合成の検討を行った. 1. Asteriscanolidの合成 水酸基を有する環状アクリロイルシランとシクロヘプテノンのエノレートとの[3+4]アニュレーションによって得られたトリシクロ体をα-水酸化/酸化的開裂反応に付し,架橋部分を開裂させることで,Asteriscanolideに変換可能なbicyclo[6.3.0]undecane骨格を有する多官能性化合物を得ることができた. 2. (+)-Prelaureatinの合成 (+)-Prelaureatinの側鎖部分に対応する置換基を有するオキサシクロヘプテンを四炭素単位として用い,[3+4]アニュレーションを行ったところ,良い収率でビシクロ体が得られた.前年度に報告した形式全合成をより効率的なものにするため,その後の置換基変換を検討した.その結果,以下のような合成経路を確立することができた.まずアニュレーション成績体をNBS/TBAFで処理することによりβ-シリルエノールシリルエーテルをエノンに導き,架橋部分のカルボニル基をエノールシリルエーテルとして保護する.エノン部分のカルボニル基を還元した後,エノールシリルエーテルを利用してカルボニル基のα位に水酸基を導入し,架橋部分を酸化的に開裂させる.生じたアルデヒドを利用して二重結合を異性化させて脱カルボニル化を行い,(+)-Prelaureatinの骨格を形成させる.その後,側鎖のヒドロキシル基をブロモ基に変換することができた.本経路では酸化/還元の段階が最小限に抑えられているため経路が短縮され,また,収率はすべての段階で満足のいくものであった.
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