2009 Fiscal Year Annual Research Report
核―細胞質シャトルペプチドの開発と疾患関連タンパク質除去システムへの応用
Project/Area Number |
20790012
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
重永 章 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10423394)
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Keywords | ペプチド / 有機合成化学 / 刺激応答 / ペプチド結合切断 / ケージド化合物 / シャトルペプチド |
Research Abstract |
多くの難治性疾患において、疾患関連タンパク質の核内蓄積が観測される。これら疾患の治療法の一つとして、核内疾患関連因子の核外輸送法の開発が挙げられる。さらに、これら疾患を分子レベルで理解するには、疾患関連因子の核外輸送が細胞外部から制御できることが望ましい。そこで本研究では、核内へ移行した後、外部からの刺激を受けて核外へ再移行するペプチド、すなわち核一細胞質シャトルペプチドの開発を行った後、本シャトルペプチドを基盤とした疾患関連タンパク質核外輸送系を確立することとした。 申請者はこれまで、紫外線照射を受けてプロセシング(ペプチド結合の切断)を誘起する紫外線応答型アミノ酸の開発に関する研究を行ってきた。この結果、核一細胞質シャトルペプチドの中心骨格となる紫外線応答型アミノ酸のラセミ体合成に成功していた。平成20年度は、この紫外線応答型アミノ酸の不斉合成について検討を加えると共に、紫外線応答型アミノ酸によるプロセシング反応に関する速度論的研究を行った。 平成21年度は、紫外線照射による細胞傷害回避を目指し、種々の刺激応答型アミノ酸の開発を行った。この結果、近赤外線二光子励起応答型アミノ酸およびチオール応答型アミノ酸の開発に成功した。あわせて、疾患関連タンパク質捕捉部位と核一細胞質シャトルペプチドを連結する際必要となる新規ペプチドライゲーション法の確立に成功した。
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Research Products
(23 results)