2009 Fiscal Year Annual Research Report
連続した四級不斉炭素を有する天然物の効率的合成法の開発
Project/Area Number |
20790020
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
河井 伸之 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (10411034)
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Keywords | 合成化学 / 癌 / 薬学 / 有機化学 |
Research Abstract |
連続した不斉四級炭素を有する天然物の効率的合成法の開発を研究課題として、有機合成上およびバイオケミストリー上重要な二つの天然物の合成を継続した。 (1)プラテンシマイシンの合成研究:昨年度までに、シクロペンタン環を有するジエン部分と、β位に側鎖とメチル基を有するジエノフィル部分、を併せもつDiels-Alder反応前駆体を合成した。さらに熱条件下で環化反応を試みた結果、四級炭素を有する三環性化合物を高い選択性で与えることを明らかにした。本年度は、課題として、前駆体の幾何異性を制御しながら合成することで環化反応の選択性および収率の改善を検討した。その結果、3つの炭素炭素二重結合の幾何異性を制御する上で、満足できる結果を得られなかった。とりわけ、末端ビニルエーテルの形成では、1:1の幾何異性体の混合物を与え、それらの単離も困難であり改善には至らなかった。 (2)シマラクトンのビシクロラクトン部分の合成:昨年度までは、α-ジアゾ-β-ケトエステル類のカルベン形成を介した硫黄イリドの形成とシグマトロピー転位による反応を検討した。収率を向上させることが出来なかったので、本年度は主としてβ-ケトエステルのα位でのアリル化反応を選択し、アリルエステルをエレクトロファイルとした分子内環化反応を種々検討した。 その結果、渡間的アイルランドクライゼン転位反応により低収率ながら望む立体を有するシクロペンタン環化合物を単一化合物として得ることが出来た。
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Research Products
(2 results)