2009 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族アミド不斉球状分子の合成とキラルナノ空間の構築
Project/Area Number |
20790024
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
桝 飛雄真 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 助教 (80412394)
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Keywords | 有機化学 / ナノ材料 / 結晶工学 / 不斉 / X線結晶解析 |
Research Abstract |
本研究は、不斉球状分子の自己集合によってキラルなナノサイズ空間を構築し、そのネットワーク構造によって機能物性を開拓することを目的とする。そのために、芳香族アミドを基本骨格とした不斉球状分子を合成し、その結晶化によってゲストの取り込みが可能なネットワーク構造を構築する。そして、このネットワーク構造を利用した不斉認識材料や不斉反応場の開発を目指す。 芳香族アミドを基本骨格とした不斉球状分子の合成を行った。得られた球状分子の結晶化条件のスクリーニングを行い、単結晶(ラセミ体)についてX線構造解析を行ったところ、ゲスト分子を取り込んだ擬似結晶多形が確認された。含水結晶においては、チャンネル構造に取り込まれた水分子が一次元連鎖し、クラスターを形成していた。一方、アセトニトリル含有結晶では、アセトニトリル分子が取り込まれることにより、チャンネルの形状が変化していることがわかった。これらの構造は、球状分子のアミド酸素とゲスト分子との分子間相互作用によって安定化されていた(論文準備中)。またランタニド金属塩と球状分子の錯体についても、結晶構造の解析を行った。ベンゼンを含む溶媒系で結晶化を行ったところ、前年度までとは異なる結晶構造が得られ、ベンゼンを取り込んだ新たな結晶構造の構築に成功した(論文準備中)。これらの結果から、球状分子の分子設計と結晶化条件を適切に行うことで、弱い分子間相互作用を利用したネットワーク構造の構築が可能であることが示された。 現在、キラル分割した試料の結晶条件スクリーニングを行うことによって、キラルなネットワーク構造の構築を試みている。
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Research Products
(4 results)