2008 Fiscal Year Annual Research Report
安定な固相担持性金属触媒の開発とタルーシン誘導体合成への応用
Project/Area Number |
20790025
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
山本 博文 Tokushima Bunri University, 薬学部, 助教 (70461366)
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Keywords | 固相担持性水銀触媒 / シラフェニル水銀トリフラート / マイクロウェーブ / 触媒 / フロー反応 / 触媒環化反応 / 葉状態形成誘導活性 / タルーシン |
Research Abstract |
今回, 水銀が炭素と共有結合性の高い安定なσ結合を形成する性質に着目し, 固体ポリマー(固相担体)にフェニル水銀トリフラートを直接導入した環境調和型水銀触媒(固相担持性水銀触媒)を開発し, 葉状態形成誘導活性化因子であるタルーシンの誘導体合成に利用することを目的とした.平成20年度(〜平成21年3月31日)の研究実施計画では新規固相担持性水銀触媒の調製法確立と, それを用いた反応効率や触媒安定性の確認を行うと共に基質適用制限を明確にすることに重点を置いた.先ず, 固相触媒の基盤となる最適な担体の探索としてポリスチレンやデンドリマー型の有機性担体やシリカゲル系無機性担体を用いて10種を超える固相水銀触媒を合成した.そして触媒安定性や反応性を総括的に評価し, シラサイクル社のシラフェニル担体を用いて, 酢酸溶媒中マイクロウェーブ照射する手法で効果的な固相担持性水銀触媒(シラフェニル水銀トリフラート)の調製に成功した.この固相触媒は6〜7回の再利用が可能であると同時に, 固系触媒の特性を活用してカラム充填することでフロー反応システムに応用することが出来た.又, 基質適用性を確認するため, アルキニルアニリン誘導体からのインドール触媒合成反応, フリーデル・クラフツ型アリールイン環化反応やフラノイン環化反応, インエンアリールを組み込んだ生合成類似多重環化反応に利用したところ, 極めて効果的に反応を触媒し幅広く利用出来ることを確認した.又, 葉状態形成誘導活性因子タルーシン誘導体合成への応用を見据えて, インエンカルボン酸型タンデム環化反応についても検討したが, 単離収率72%で目的とする二環性ラクトンをジアステレオ選択的に一挙に合成できることも確認出来た.今回調製することに成功した固相担持性水銀触媒の開発は水銀試薬として初めてのリサイクル触媒の開発であると共に近年深刻な社会問題としてクローズアップされる貴元素の枯渇問題を解決するための新たな代用法の構築として極めて重要な成果であると考えられる.
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Research Products
(2 results)