2009 Fiscal Year Annual Research Report
希土類錯体の特異な反応性を利用したアルケンの選択的カルボメタル化反応の開発
Project/Area Number |
20790026
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
瀧本 真徳 The Institute of Physical and Chemical Research, 侯有機金属化学研究室, 専任研究員 (50312377)
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Keywords | 触媒反応 / 希土類 / 有機アルミニウム / アルケン / アルキン / カルボメタル化 |
Research Abstract |
既に本研究代表者は前年度の研究においてハーフサンドイッチ型スカンジウムビスアルキル錯体より調製したカチオン性スカンジウムアルキル種が、分子内にシロキシ基を持つ種々の末端アルケンとトリメチルアルミニウムの反応において、位置選択的メチルアルミ化反応を効率よく触媒することを見いだしている。また、同反応で観測された位置選択性の発現においては分子内の酸素原子の触媒への配位が重要であることを突き止めている。平成21年度の研究においては、本反応の適用範囲の拡大を目指し、従来報告されている触媒では位置選択的に反応を行うことが困難であった、非対称内部アルケンの位置選択的カルボアルミ化反応の検討を行った。その結果、分子内に酸素原子を有する種々の非対称内部アルケンにおいて、高選択的かつ高収率でメチルアルミ化反応が進行することが分かった。また、それらの反応においても基質分子内の酸素原子近傍にアルミニウムが導入される位置選択性で反応が進行し、やはり位置選択性の発現においては分子内の酸素原子の触媒への配位が重要であることが明らかとなった。本触媒系は分子内に酸素原子を持つ非対称内部アルキンの位置選択的メチルアルミ化反応においても有効であり、さらにそのような内部アルキンの反応においてはトリメチルアルミニウムだけでなく、ジメチル亜鉛もカルボメタル化反応のアルキルメタル源として利用可能であることを見いだした。これらの成果は、効率的炭素骨格法であるカルボアルミ化反応の適用範囲をさらに拡大できたことを示しており、有機合成化学的に意義有る成果と考えられる。
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Research Products
(2 results)