2009 Fiscal Year Annual Research Report
相互作用に基づく光合成明反応膜蛋白質と電子輸送蛋白質の高効率電子輸送機構の解明
Project/Area Number |
20790029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 卓見 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (20451859)
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Keywords | 膜タンパク質 / 核磁気共鳴法 / 光合成明反応 / タンパク質-タンパク質相互作用 / 電子移動反応 / 転移交差飽和法 |
Research Abstract |
本研究では、酸化型Plastocyanin(Pc),ならびにその反磁性アナログであるカドミウム置換Pc(Cd-Pc)のphotosystem I(PSI)結合様式を転移交差飽和法(TCS法)に基づくNMR解析により解明することにより、PcがPSIに電子を渡した後素早く解離することにより効率良く電子輸送を行うメカニズムを解明することを目指した。今年度はまず、昨年調製法を確立した[^2H,^<15>N]標識Cd-Pcと可溶化PSIを混合して、TCS実験を行った。カドミウム置換Pcと可溶化PSIの量比や測定温度、ラジオ波照射時間を最適化した結果、N32,E59,E60,N64,H87,Q88,A90,G91のシグナルに、ラジオ波照射に伴う有意な強度減少が観測され、PSIとの結合界面であることが示された。還元型PcのPSI結合界面と比較すると、Loop1上のG10,S11,L12が結合界面となっていない点と、acidic patch上のE59,E60が結合界面に含まれている点が異なっていた。次に、[^2H,^<15>N]標識酸化型Pcと可溶化PSIを混合して、TCS実験を行った。その結果、常磁性緩和増大のため、銅イオン近傍のシグナルの大部分は観測されなかったが、N64に有意な強度減少が観測されたことから、Cd-Pcは酸化型Pcと同様の結合様式を保持していると考えた。以上の結果および先行論文で報告されている非結合状態の還元型・酸化型Pcの立体構造の比較から、Pcに配位している金属の電荷の増大に伴って、金属原子とH87の距離が小さくなることにより、近傍のL12との相互作用が変化して、Loop1のコンフォメーションが変化することにより、Loop1を介したPSIとの相互作用が減弱し、電子移動後のPSIからの素早い解離が実現され、効率的電子輸送反応が起こると考えた。
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[Journal Article] Structural basis of the interaction between chemokine stromal cell-derived factor-1/CXCL12 and its G-protein-coupled receptor CXCR42009
Author(s)
Yutaka Kofuku, Chie Yoshiura, Takumi Ueda, Hiroaki Terasawa, Takahiro Hirai, Sae Tominaga, Masako Hirose, Yoshitake Maeda, Hideo Takahashi, Yuya Terashima, Kouji Matsushima, Ichio Shimada
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Journal Title
J.Biol.Chem. 284
Pages: 35240-35250
Peer Reviewed
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