2009 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス反応に基づくグルタミン酸神経機能イメージング法の開発
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20790039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大和 真由実 Kyushu University, 先端融合医療レドックスァビ研究拠点, 准教授 (30380695)
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Keywords | グルタミン酸 / 脳 / イメージング / 腎不全 / レドックス |
Research Abstract |
前年度の結果をふまえ、平成21年度は、以下の点について検討を行った。 (1) 腎不全モデルマウスにて生成する活性種とニトロキシルラジカル反応性の検討 前年度の研究結果から、腎不全モデルマウスの脳内において過酸化水素を生成する可能性が示唆された。我々は、酸化ストレスモデルマウスにおいて過酸化水素が生成した場合、さらにヒドロキシルラジカルが生成すること、その際に生体内でニトロキシルラジカルと反応し、ニトロキシルラジカルがヒドロキシルアミン体へと変換することを明らかにした。 (2) OMRIを用いたグルタミン酸神経機能の画像解析 尿毒症モデルマウスにおける脳機能は、腎摘出2、4、及び8週後に放射状水迷路によって評価した。摘出8週において学習障害が認められたが、2及び4週においては正常マウスと同等の学習能力を示した。一方で、OMRIを用いて脳レドックスイメージングを行ったところ、4週において造影剤であるmethoxycarbonyl-PROXYLのレドックス反応亢進が認められたが、8週においては正常レベルであった。フリーラジカル反応については、L-band ESRを用いたスペクトル解析についても同様に検討を行った。その結果、OMRI測定と同様に、腎臓摘出4週間群のみにて、フリーラジカル反応の亢進が認められた。前年度に行った8-OHdG免疫染色による酸化ストレスの評価では、8週群においてDNA酸化物の蓄積が認められている。以上の結果から、OMRIによる脳機能評価では、行動変化や酸化物蓄積に先立つ病態変化をとらえることが出来る可能性が示唆された。
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