2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性シグナルセンシングポリマーを用いた新規遺伝子治療戦略の創出
Project/Area Number |
20790042
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
浅井 大輔 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 助教 (10423485)
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Keywords | IkappaB kinase / NF-kappaB / 遺伝子キャリアー / ドラッグデリバリー / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
培養細胞での評価・機能改変へのフィードバック IKKbのリン酸化に応答する高分子材料を用い、各種培養細胞への遺伝子導入および形質転換能を調べた。試験した5種の細胞のうち、エンドサイトーシス経路で遺伝子導入・発現が認められたのはHeLa細胞のみであった。マイクロインジェクションにより高分子材料-DNA複合体を導入したところIKKb活性化刺激に応じたレポーター遺伝子の発現が認められた。Real-time RT-PCRで細胞内に導入されたDNA量を定量したところ、細胞内への遺伝子導入の有無は細胞腫によって異なることが判明した。これらの結果は、複合体は導入されかつ発現する細胞、細胞内に導入されるものの遺伝子発現しない細胞、導入すらされない細胞があることを示唆した。そこで、高分子材料の化学合成方法の改変および超音波(ソノポレーション)による複合体導入に着手した。その結果、高分子主鎖への基質ペプチド導入率を上げること、およびソノポレーション法の併用により複合体の細胞内導入率・遺伝子発現効率が著しく改善されることを見出した。 RAモデル動物での評価 関節リウマチの治療に焦点をあて、関節炎誘発モデルマウスであるDBA/1J Seaを実験動物として用いた。IKKb応答型高分子-DNA複合体をマウス関節内に直接投与し、レポーター遺伝子の発現をin vivo imagerにより調べた。その結果、関節内およびその近傍でレポーター遺伝子の発現が認められたものの、陰性コントロール高分子でも遺伝子発現が認められた。動物組織への導入後、IKKbのリン酸化に関わらずに複合体が崩壊している可能性が考えられた。ペプチド基質導入率の高い高分子材料が、より安定にDNAとの複合体形成できることを既に見出している。これらペプチド含量の高い高分子を用いたin vivoでの評価が今後の検討課題である。
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Research Products
(7 results)