2008 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスにおける複数の低分子量G蛋白質の活性制御機構の統合的な理解
Project/Area Number |
20790056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶保 博昭 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (70401221)
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Keywords | エンドサイトーシス / メンブレントラフィック / 低分子量G蛋白質 / Rab / GEF |
Research Abstract |
申請者は新規のRab5GEFであるRINファミリーの機能解析を進めており、本研究では選別輸送の段階に介在するRasファミリー-RIN-Rab5ファミリーの時間・空間的な協調作用を目的として以下の知見を得た。1、リン酸化チロシンシグナルに応じたRINファミリーの小胞への局在化-RINファミリーをHeLa細胞に発現し、種々の刺激や阻害剤処理時の局在を解析したところ、チロシンフォスファターゼ特異的阻害剤であるPervanadate (PV) 処理時にRIN2およびRIN3は形質膜から初期エンドソームへ輸送される過程と思われる小胞へ移行する事を見出した (Yoshikawa, et.al, 2008) 。さらにRIN3の各種欠失変異体を用い解析したところ、C末に存在するRas結合ドメインを欠く変異体はPV非処理時にも輸送小胞へと局在する事を見出した。 2、RIN因子群とRab5ファミリーが制御するエンドサイトーシスの詳細な解析 内在めRIN3が部分的にリン酸化されている事を見出し、その候補部位を同定した。次にRIN3のリン酸化状態がRab5ファミリー (Rab5, 22, 31へのGEF活性に関与するかを検討した。非リン酸化変異体RIN3はRab5ファミリーの中でRab31に対してのみGEF活性の低下が認められた。酵母ツーハイブリッド法によりリン酸化状態に依存してRIN3への相互作用が増加することを明らかにした。 以上の結果より、RIN3が受容体などの上流からの刺激に応じて輸送小胞へ局在する事、また自身のリン酸化状態に伴いRab5サブファミリーのGEF活性を調節することで複雑なエンドサイトーシスを巧みに調節している可能性が示された。
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Research Products
(8 results)