2009 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスにおける複数の低分子量G蛋白質の活性制御機構の統合的な理解
Project/Area Number |
20790056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶保 博昭 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (70401221)
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Keywords | エンドサイトーシス / メンブレントラフィック / 低分子量G蛋白質 / Rab / GEF |
Research Abstract |
申請者は新規のRab5GEFであるRINファミリーの機能解析を進めており、本研究では選別輸送の段階に介在するRasファミリー-RIN-Rab5ファミリーの時間・空間的な協調作用を目的として以下の知見を得た。 1、Rab31 GEFとしてRIN3の機能評価 RINファミリーがRab31へのGEF活性を有する事を生化学的に示してきたが、どのような生理局面でRIN-Rab31マシナリーが機能するかは未解明であった。そこでRINファミリーの中でもRab31へのGEF活性が強いRIN2,RIN3をHeLa細胞に発現し、Rab31によって局在が制御される事が報告されているマンノース6-リン酸受容体の局在を解析したところ、ゴルジ体に集積していた受容体がRIN2およびRIN3発現によって細胞質中に小胞を形成して局在化する事を見出した。さらに変異体を用いた解析により、この現象がRINのRab31へのGEF活性に依存する事を明らかにした。 2、RIN3によるInsulinシグナル応答制御についての解析 申請者はRIN3がインスリン受容体と相互作用する事を見出したことから、その下流シグナルについてRIN3の関与を検討したところ、RIN3の発現によりインスリン受容体の内在化が亢進し、Aktのリン酸化が抑制された。またこの作用はRab5へのGEF活性を失った変異体では見られなかった。 これらの事から、RINファミリーがRab31の活性化調節を介してゴルジ体から初期エンドソームへの輸送を制御する一方で、Rab5へのGEF活性によって細胞表層上のインスリン受容体量を調節してインスリン応答を適切に調節している可能性を見出した。
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Research Products
(11 results)