2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖改変マウスを用いた、シアル酸分子種変化によるB細胞活性化調節機構の解明
Project/Area Number |
20790063
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内藤 裕子 Kyoto University, 生命科学研究科, 助教 (10456775)
|
Keywords | B細胞 / シアル酸 / 胚中心 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでに、B細胞の活性化に伴い、主要シアル酸分子種がN-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)からN-アセチルノイラミン酸へと変化すること、また、この変化が、Neu5Gcの生合成に必須の酵素、Cmahの発現抑制によるものであることを明らかにした。本研究は、この活性化依存的なシアル酸分子種変化の生理的意義を明らかにすることを目的としており、研究代表者らが作製した、B細胞が活性化してもNeu5Gcの発現が抑制されない糖鎖改変マウスのB細胞応答について、特に胚中心反応に注目して解析を行った。胚中心は、T細胞依存性抗原による免疫後に二次リンパ器官内に形成される組織構造であり、胚中心反応を経て、抗体のクラススイッチや体細胞突然変異が生じ、活性化B細胞は抗体産生細胞や記憶細胞へと分化していく。B細胞の活性化を負に制御していると考えられるNeu5Gcの発現を抑制できない糖鎖改変マウスでは、T細胞依存性抗原に対する応答が減少していることが期待される。まず、脾臓凍結切片の染色により胚中心の形成について調べたところ、糖鎖改変マウスにおいてもT細胞依存性抗原による免疫後に胚中心の形成が見られた。そこで、抗体産生について検討を行ったが、特に大きな変化は認められなかったため、抗体産生細胞や記憶B細胞への分化に影響があるか、検討を行っている。さらに、細胞レベルでの応答についても、増殖に差が見られるか等の検討を進めている。
|