2009 Fiscal Year Annual Research Report
クォーラムセンシングによらない新規バクテリオシン産生制御システムの解明
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20790065
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
野田 正文 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座助教 (40457289)
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Keywords | 微生物 / 発現制御 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
植物乳酸菌174A株の産生するバクテリオシン(brevicin 174A)は、一般的な既存の三成分制御系によるものとは異なった制御系をもつと推測された。そこで本研究では、本株における新規バクテリオシン産生制御システムを解明することを目的としている。 本年度はまず、brevicin 174Aの生合成遺伝子クラスター中に存在する各orfの転写開始点の決定を試みた。また、クラスター中に存在する2つの転写調節因子をコードするorf4およびorf6を破壊したものを含め、シャトルベクター上に、生合成遺伝子クラスターを再構築し、Lb. brevisおよびLb. hilgardiiに導入後、その表現型および各orfの発現解析を行うことで、Orf4およびOrf6が、それぞれ制御対象とする各orfの転写を正負のいずれに制御しているのか、明らかにすることを試みた。 その結果、Orf6の認識配列はorf2,3オペロン(生合成遺伝子)のプロモーター領域よりも比較的上流に存在しており、アクチベーターとして機能する可能性が考えられた。一方、Orf4の認識配列は、orf5(自己耐性遺伝子)のプロモーター領域を含む形で存在し、レプレッサーとして機能している可能性が考えられた。実際、orf4を破壊したクラスターの導入株では、非破壊クラスター導入株と比べ、brevicin 174Aに対する耐性が更に上昇しており、orf5の転写抑制が解除されているといえる。 また、各ORFの機能を解析する過程において、brevicin 174Aの構成ペプチドであるOrf2およびOrf3を、大腸菌ホスト・ベクター系で個々に発現・精製し、活性評価を行った結果、単独でも抗菌活性を示し、かつ、特定の菌株に対しては相乗効果を示すことが明らかとなり、制御系のみならず、活性発現においても新奇な特徴をもつバクテリオシンであることが示唆された。
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Research Products
(3 results)