2009 Fiscal Year Annual Research Report
生命維持およびインスリン感受性制御に関与するfad104の機能解析
Project/Area Number |
20790070
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
西塚 誠 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 講師 (00363953)
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Keywords | fad104 / 新生児 / 肺形成 / ノックアウトマウス / サーファクタント / 肥満 |
Research Abstract |
Fad104ホモ欠損マウスは出生直後に全て死亡する。fad104は脂肪細胞分化制御だけでなく,出生直後の生命維持においても極めて重要な役割を担っていることが予想された。そこで、本検討では、fad104が出生直後に担う役割を明らかにすることをめざした。 胎生18.5日目に胎児を取り出し観察した結果,野生型マウスは取り出した直後から活発に呼吸をはじめ,徐々に赤みを帯びてくるのに対して,fad104ホモ欠損マウスは呼吸が非常に弱く,すぐにチアノーゼを示し,取り出してから15分以内にすべて死亡することがわかった。Fad104ホモ欠損マウスの呼吸が弱いため,肺の機能に異常がある可能性が考えられた。そこで次に,fad104ホモ欠損マウスの肺について検討を行った。その結果,fad104ホモ欠損マウスの肺は野生型よりも有意に小さいことが明らかになった。さらに肺の組織切片を作製し観察したところ,野生型マウスの肺胞に比べて,fad104ホモ欠損マウスの肺胞が小さいことが明らかになった。肺胞をひらくためには,サーファクタントタンパク質が重要な役割を担う。そこで,fad104ホモ欠損マウスの肺における4種類のサーファクタントタンパク質(SP-A, SP-B, SP-C, SP-D)の発現量を検討した。その結果,fad104ホモ欠損マウスの肺では野生型マウスの肺に比べて,SP-A, SP-C, SP-Dの発現量が顕著に減少していることが明らかとなった。 これらの結果より,出生直後においてfad104は、肺の機能維持に極めて重要な役割を担うことが示された。
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Research Products
(8 results)