2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸の硫酸化による細胞分化制御機構の解明
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20790080
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
三上 雅久 Kobe Pharmaceutical University, 薬学部, 講師 (20330425)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / グリコサミノグリカン / 神経突起伸長 / 糖鎖 / 発現制御 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 酵素 |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸(CS)は細胞表面や細胞外マトリックスに普遍的に存在する硫酸化糖鎖で、形態形成や細胞間相互作用など様々な生命現象に関与する。本研究では、CSが豊富に存在する脳神経系に焦点を当て、その代表的な細胞分化過程である「神経突起形成」におけるCSの硫酸化の機能解明を目的とし、以下の解析を行った。 CSは多様な硫酸化修飾構造をとりうるが、中でも高硫酸化CSの一つであるCS-Eには、海馬神経細胞の神経突起の伸長を促進する活性があることから、脳神経系において時空間的に制御されたCSの発現が神経回路網形成に重要な役割を果たしていると考えられている。今回、神経芽細胞株を用いて、CS-Eの神経突起伸長促進作用の発現メカニズムの解明に向けた解析の展開したところ、神経細胞表面に発現する細胞接着分子であるcontactin-1か、CS-Eを特異的に認識するCS賞容体として機能することを見いだし、CS-E多糖自身が神経突起伸長を誘導するシグナル分子として振る舞いうるというCSの新しい機能的側面を明らかにした。 さらに、軸索ガイダンス分子としてのCSの機能を調べる目的でCS鎖中の主要な硫酸化構造の生合成を担う硫酸基転移酵素(C4ST-1)の発現をノックダウンしたゼブラフィッシュ胚を作製し、CSの硫酸化が運動神経軸索の伸長制御に重要であることを明らかにした。
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