2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショックタンパク質Hsp72のC末端配列が初期免疫系に果す役割
Project/Area Number |
20790083
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
太野 路子 Yasuda Women's University, 薬学部, 助手 (80454875)
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Keywords | 生体防御 / 炎症 / Hsp |
Research Abstract |
通常HSPは細胞内に存在し、分子シャペロンとして機能している。一方近年では、細胞の傷害に続く炎症における、細胞外でのHSPの免疫学的な機能が注目されている。申請者は、マウス誘導型Hsp72およびそのC末端欠失変異体とlymphoid neoplasm P388D1細胞が特異的に結合し、結合にはC末端の構造が関与していことを明らかにしているが、機能については不明であった(Ohno et.al., Mol. Immunol.44,2344-2354(2007))。そこで、本研究では、Hsp72の免疫系における働きを明らかにすることを目的とした。Hsp72とそのC末端欠失変異体について、P388D1細胞との結合における、種々の炎症性サイトカイン(TNF-α,IL-1β,IL-6,GM-CSF)の発現をRT-PCRにより検討した。しかしながら、P388D1では特異的なサイトカインの発現はみられなかった。したがってこれについては、さらにケモカイン等の他のケミカルメディエーターの発現についても検討を行うとともに、ELISA法による検討も行う予定である。 一方、腸管におけるモデル系の構築も試みている。生体には多くの免疫器官が存在するが、中でも腸管は生体における最大の免疫器官であり、食物や腸内細菌等の多くの外来異物と直接接触する器官である。腸管免疫系において、HSPが免疫学的機能をもっか、HSPの由来する生物種の違いによる応答の違いの有無を検討するため、ヒト小腸上皮細胞Caco-2を用いた検討を予定している。またこの際、pholbol ester処理によりマクロファージ様に分化することの知られるヒト単球細胞THP-1とCaco-2の共培養系を構築し、これを腸管のモデル系とし検討することを目標とし、現在研究を進めている。
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Research Products
(2 results)