2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経軸索におけるABCA1の役割と活性制御機構の解明
Project/Area Number |
20790091
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
奥平 桂一郎 National Institute of Health Sciences, 機能生化学部, 主任研究官 (10425671)
|
Keywords | 脂質 / 神経 |
Research Abstract |
本研究では、膜トランスポーターABCA1の神経細胞の軸索または成長円錐近辺における役割と活性制御機構の解明を目的とする。本年度は、マウス神経芽細胞種Neuro-2a、ラット初代培養胎児脳海馬ニューロン細胞、及び、脊髄後根神経節(dorsal root ganelion (DRG))ニューロン細胞を用いて、実験系の構築とABCA1タンパク質の発現について解析した。 Neuro-2a細胞において、核内受容体LXR/RXRのリガンドで処理したところ、極めて高レベルのABCA1発現が確認された。また、Neuro-2aはcAMPで刺激することにより、神経突起を形成した。さらに、リゾフォスファチジン酸(LPA)で処理することによって、数分以内に突起の退縮とともに、細胞体の収縮が観察された。このことにより、Neuro-2aが突起伸長・退縮を観察する上で、良いモデルとなる可能性が示唆された。さらに、免疫沈降したABCA1を解析したところ、グアニンヌクレオチド交換因子PDZ-RhoGEFの結合が明らかとなり、ABCA1がPDZ-RhoGEFのエフェクターであるRhoAによって制御されている可能性を示唆した。 脳海馬細胞、及びDRG細胞を培養し、ABCA1のモノクローナル抗体によって細胞染色したが、アストロサイトやグリア細胞のみが染色され、神経細胞はほとんど染まらなかった。このことにより、定常状態において、初代培養ニューロンにおけるABCA1の発現レベルは低いことが予想された。
|
Research Products
(3 results)