2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経軸索におけるABCA1の役割と活性制御機構の解明
Project/Area Number |
20790091
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
奥平 桂一郎 National Institute of Health Sciences, 機能生化学部, 主任研究官 (10425671)
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Keywords | 脂質 / 神経 |
Research Abstract |
本研究では、膜トランスポーターABCA1の神経細胞の軸索または成長円錐近辺における役割と活性制御機構の解明を目的とする。本年度は、ラット脊髄後根神経節(dorsalroot ganglion (DRG))細胞を用いて、神経突起伸長とABCA1の発現との関係について検討した。 DRG細胞のABCA1発現量をコントロールする目的で、ABCA1に対するsiRNAを各種トランスフェクション試薬で細胞に導入し、ABCA1タンパク質発現量を調べをところ、Lipofectamine RNAiMAXを使用した際に、良好なノックダウン効率が得られることが明らかになった。DRGの神経突起伸長は、細胞を固定した後、神経細胞のマーカーてある抗β3-tubulin抗体と二次抗体Alexa555を用いて細胞を染色し、観察した。ABCA1をノックダウンした細胞とコントロールの細胞において、細胞を撒種してから6日後及び9日後の突起伸長を比較したところ、ほとんど差は認められなかった。このことから、突起伸長反応にABCA1は関与しないことが示唆された。次に、DRGを突起伸長させた後、メスにより物理的に神経突起を切断して、さらに4時間後から3日後の細胞の状態を観察した。切断により神経突起の退縮から、一部修復が起こると考えられ、ABCA1をノックダウンしたDRGにおいては、コントロールと比較して、修復が遅れているか、ほとんど起きていないことが分かった。この結果は、神経の修復にABCA1が重要な役割を果たしている可能性を示唆している。
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Research Products
(3 results)