2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラフトの構成成分の減少がCERTの脱リン酸化を引き起こすメカニズムの解析
Project/Area Number |
20790092
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
熊谷 圭悟 National Institute of Infectious Diseases, 細胞化学部, 研究員 (40443105)
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Keywords | 脂質 |
Research Abstract |
細胞をスフィンゴミエリナーゼやメチル-β-シクロデキストリンなどで処理すると、CERTの脱リン酸化が引き起こされる。これらの刺激によって、CERTのリン酸化のカイネティクスがどう変化しているのかを把握する為に、昨年度はアイソトープラベルを用いて解析を行った。その結果、脱リン酸化の速度はほとんど変化しないことが明らかとなった。一方、リン酸化の速度は低下していることが示唆されたものの、幾つかの確認実験を必要とする段階にある。これらの結果は、次年度の研究の方向性を定めるための判断材料となり、今後はリン酸化がどのように低下しているのかという点に着目しながら研究を進めていく。また、スフィンゴ脂質合成の阻害剤で処理した時にもCERTの脱リン酸化が引き起こされるが、この場合の脱リン酸化は、先述のスフィンゴミエリナーゼやメチル-β-シクロデキストリンの場合の脱リン酸化とは質的に異なる応答であることを示唆する結果が得られている。申請書提出時には予想していなかった事実として、これらの刺激によってCERTが脱リン酸化される為にはPHドメインが不可欠である点を明らかにした。刺激に応じてPI4Pのレベルが変化している可能性もあり、この点についても新たな検討を要する。交付申請書にて記述したように抗体の作製を業者に委託し、血清を得た。また、CERTのリン酸化状態を簡便に把握するための分析技術についても検討した。いくつかの問題点が浮上し、実用化には至っていないが、引き続き改良を加えていく。
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