2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラフトの構成成分の減少がCERTの脱リン酸化を引き起こすメカニズムの解析
Project/Area Number |
20790092
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
熊谷 圭悟 National Institute of Infectious Diseases, 細胞化学部, 研究員 (40443105)
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Keywords | 脂質 |
Research Abstract |
細胞をスフィンゴミエリナーゼで処理した時に、CERTの脱リン酸化が引き起こされる。前年度までに、この脱リン酸化が新規リン酸化の減少によって引き起こされていることが示唆されていた。CERTをリン酸化する2つの酵素のうち、CK1γ2には目立った調節ドメインがないため、PKDを優先して解析を行った。しかしながら、CERTがPKDによってリン酸化されることの確認がとれず、この点に関して引き続き検討を行っている。 また、細胞をスフィンゴミエリン合成阻害剤で処理した際にもCERTの脱リン酸化が見られるが、スフィンゴミエリナーゼ処理の場合とは少し異なる応答が細胞内で起きていることを前年度までに明らかにした。スフィンゴミエリン生合成の阻害剤によってCERTが脱リン酸化されるためには、VAP-Aとの相互作用を担うFFATモチーフとGolgiへの局在に必要なPHドメインの両方が必要であった。Goigiへの局在に必要とされるPI4P量には変動がなかった。このことから、CERTがER-GolgiコンタクトサイトにおいてPP2Ceと相互作用することが脱リン酸化に必要であると推測された。 S132に対する抗リン酸化抗体を委託製造したが、検討の結果、特異性が低く実用的ではないことが分かった。 実験計画書提出時には想定していなかったが、SRモチーフとは全く異なるサイトがリン酸化されていることを明らかにした。この新規リン酸化サイトはSRモチーフのリン酸化にも影響を与えることが分かってきており、CERTのリン酸化状態がより多くの因子によって制御されうることを示唆している。
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