2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790093
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
市川 大樹 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所・免疫研究部, 流動研究員 (60462793)
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Keywords | GRAIL / 自己免疫 / E3リガーゼ / T細胞アナジー |
Research Abstract |
T細胞アナジーで重要であるGRAIL分子によりユビキチン化されるタンパク質を決定するため, まずT細胞アナジー時に減少するタンパク質を同定する事を目的とし, DO11.10の脾臓細胞をOVA蛋白で刺激し, 10日後にionomycin処理, ionomycin+cyclosporin A処理群を比較し, 蛍光標識二次元デイファレンスゲル電気泳動を行った. その後, 蛋白質発現差異解析し, MALDI-TOF/MSを用い, 蛋白質同定を行った. その結果, CD4T細胞アナジーにおいて発現が低下する蛋白質を未知, 既知を含め約30種類同定した. その同定したたんぱく質がGRAILによりユビチキン化されるのかを決定するため, 野生型GRAIL及び, 2D DIGEで得られたタンパク質の発現ベクターを作製し, 293Tにコトランスフェクションを行い, ユビキチン化の解析を行った. その中で, RhoGDIα/βなどのGTPase及び, アクチン重合に関与する事が報告されているタンパク質がGRAILによりユビチキン化することがわかった. 次にそれらの基質候補がGRAILと共局在するかを調べるため, C末端GFP融合GRAIL及びC末端DsRed融合基質タンパク質発現ベクターを作製し, 調べた結果, 共局在することがわかった. また, 生体内でのGRAIL分子の役割を解明するため, 129Svマウス及びC57BL/6JバックグラウンドのGRAIL欠損マウスを樹立した. そして, GRAIL欠損マウスにおいて自己免疫が自然発症するかを調べるために経時的に解析を行っている最中である. 今後, GRAIL欠損マウスによりT細胞アナジーの分子基盤を解明する事で, 病態形成に自己反応性T細胞が重要な自己免疫疾患の新しい治療法の開発につながることが期待できる.
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