2009 Fiscal Year Annual Research Report
連続した塩基性アミノ酸配列がリボソームによる翻訳反応を停止させる分子基盤の解明
Project/Area Number |
20790095
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 The University of Tokyo, アイソトープ総合センター, 准教授 (40294962)
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Keywords | 翻訳 |
Research Abstract |
HIV(human immunodeficiency virus)ウイルスの転写活性化タンパク質(TAT)は塩基性アミノ酸の連続配列を含有している。TATタンパク質はHIV LTRの初期転写産物上のTAR配列に結合してその転写を促進する。Tatは転写以外にも関わっていることがわかっており、ウイルスの増幅に欠かせない重要なタンパク質である。従って、TATタンパク質の発現制御機構を理解する事はHIVウイルスの増殖制御機構を理解し、新規HIVウイルス薬を開発するために貴重な情報を提供することが期待される。本研究では、このTAT遺伝子中の塩基性アミノ酸の連続配列が翻訳を抑制するか否かを調べるため、TAT遺伝子の塩基性アミノ酸の連続配列をコードするORFをルシフェレースレポーター遺伝子の3'側に連結し、翻訳抑制の有無を調べた。その結果、TAT遺伝子における連続塩基性アミノ酸コード配列は翻訳抑制を引き起こさないことを見出した。 次に、塩基性アミノ酸の連続配列による翻訳抑制を介した遺伝子発現制御がヒトゲノム上にコードされる遺伝子の発現制御において重要な役割を果たしているかを調べる事にした。ヒトゲノム中にコードされる遺伝子についてバイオインフォマティクス解析した結果、塩基性アミノ酸の連続配列をコードする遺伝子として267個のヒト遺伝子を同定した。これらの内、代表的な遺伝子について、翻訳抑制の有無を調べるためのレポーター遺伝子を構築し、これらのレポーター遺伝子の翻訳抑制の有無を調べる系を構築できた。
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Research Products
(1 results)