2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん治療薬の標的分子Chk1の新規・既知リン酸化反応の解析
Project/Area Number |
20790096
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
笠原 広介 Aichi Cancer Center Research Institute, 発がん制御研究部, 研究員 (90455535)
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Keywords | チェックポイント / Chk1 / DNAダメージ / リン酸化 / 細胞周期 / キナーゼ |
Research Abstract |
チェックポイントキナーゼChk1は、DNA損傷及びDNA複製障害チェックポイントにおける中核的分子の1つである。Chk1の活性化には、ATRキナーゼによるSer317及びSer345のリン酸化が必要不可欠であることが報告されているが、詳細なChk1制御メカニズムは未だ不明である。本研究では、我々が発見したChk1の新規リン酸化部位Ser286/Ser301及び機能未知であるリン酸化部位Ser296の生理的意義について解析を行い、以下のことを明らかにした。 (1)Chk1の自己リン酸化反応 Chk1は、ATRによるリン酸化(Ser317/Ser345)に依存して、Ser296を自己リン酸化することを見出した。さらにChk1は自己リン酸化依存的に多機能分子である14-3-3タンパク質と結合することで機能制御されることが明らかとなった。自己リン酸化部位をAla置換したChk1変異体では、UV照射によるチェックポイントに異常が起こる。 (2)サイクリン依存性キナーゼCdkによるChk1リン酸化 Ser286/Ser301は、UV照射によるDNA損傷やDNA複製ストレス障害時にCdk2によりリン酸化されること、このリン酸化はATRによるリン酸化とは日依存的に起こることを明らかにした。この結果は、Chk1がATR経路とは別の経路で制御されている可能性を示す。
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Research Products
(5 results)