2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん治療薬の標的分子Chk1の新規・既知リン酸化反応の解析
Project/Area Number |
20790096
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
笠原 広介 Aichi Cancer Center Research Institute, 発がん制御研究部, 研究員 (90455535)
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Keywords | DNAダメージ / チェックポイント / 細胞周期 / Chk1 / キナーゼ / リン酸化修飾 |
Research Abstract |
チェックポイントキナーゼ1(Chk1)は、DNA損傷及びDNA複製障害チェックポイントにおける中核的分子の1つである。Chk1の活性化には、ATRキナーゼによるSer317及びSer345のリン酸化が必要不可欠であることが報告されているが、詳細なChk1制御メカニズムは未だ不明である。本研究では、我々が発見したChk1の新規リン酸化部位Ser286/Ser301及び機能未知であるリン酸化部位Ser296の生理的意義について解析を行い、以下のことを明らかにした。 1. Chk1のSer296自己リン酸化反応 Chk1は、ATRによるリン酸化(Ser317/Ser345)に依存して、Ser296を自己リン酸化することを見出した。Chk1はリン酸化Ser296依存的に14-3-3γと結合し、さらにチェックポイントにおけるChk1の重要な基質の1つであるCdc25Aと相互作用してリン酸化することを明らかにした。 2. サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1)によるChk1リン酸化 Chk1は、分裂期にCDK1によってSer286/Ser301がリン酸化されることを同定した。分裂前期(prophase)にSer286/Ser301をリン酸化されたChk1は細胞核から細胞質へ局在を変化することで、抑制的に制御されることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)