2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質間相互作用を調節する小分子有機化合物の論理的開発研究
Project/Area Number |
20790097
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 聡 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60333621)
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Keywords | タンパク質間相互作用 / C-リボシル化反応 / C-アリル化反応 / 有機合成 |
Research Abstract |
酵素阻害剤と比較して、タンパク質間相互作用を調節する少分子の設計は難しく、ゲノム創薬のボトルネックの一つである。本研究はタンパク質間相互作用を阻害する小分子有機化合物を設計する方法論の確立を目指して、高立体選択的β-C-リボシル化反応の適用範囲拡大と、本反応を用いてBcl-2/Bak相互作用を標的とした新規タンパク質間相互作用阻害剤を開発するものである。昨年度、申請者はオキソカルベニウムイオンに対する極めて稀な求核剤のoutside attackを積極的に活用して、高立体選択的なβ-C-リボシル化反応を開発した(Org. Lett.,2008,10,5107-5110.)。本年度はこの反応を用いて、タンパク質間相互作用を阻害する小分子有機化合物の合成法を確立すべく検討を行った。β-C-リボシル化反応の適用範囲を拡大すべく、向山アルドール型反応やシアノ化、Friedel-Crafts型反応についても検討を行ったところ、いずれの場合でも、良好な収率・立体選択性で対応するβ-C-リボシドを与えることがわかった。また、用いるルイス酸の種類によらず、β/α=>98/2で高立体選択にアリル-β-C-リボシド体が得られることもわかった。得られたアリル-β-C-リボシドの5位にアリル基を導入後、閉環メタセシスを行うことで、オキサビシクロ[n.2.1]系化合物を得ることができた。各種官能基変換、脱保護を行うことで、目的とするオキサビシクロ[5.2.1]化合物を合成することが出来た。市販のBcl-2と蛍光標識Bakペプチドを用いた蛍光偏光による、本化合物のBcl-2/Bak複合体形成阻害活性の評価を検討中である。
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Research Products
(9 results)