2008 Fiscal Year Annual Research Report
構造変化を利用した転写因子型亜鉛イオンセンサーの開発
Project/Area Number |
20790099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀 雄一郎 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (00444563)
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Keywords | 亜鉛フィンガー / 構造変換 / 亜鉛イオン / ヘリックス・ターン・ヘリックス |
Research Abstract |
ポストゲノム時代において遺伝子を標的とする分子の重要性は、益々高まっている。なかでも、亜鉛フィンガータンパク質は、様々なDNA配列に特異的に結合するように分子設計できることから、極めで注目されている。本研究では、亜鉛イオン濃度に応答する人工転写因子型のセンサーの開発にむけて、亜鉛フィンガータンパク質の亜鉛イオンとの構造変換能を利用して、DNA認識配列を変換することのできる新規人工タンパク質の設計についで検討した。我々の以前の研究で、亜鉛イオン存在下において亜鉛フィンガー構造をとり、亜鉛イオン非存在下では、ヘリックス・ターン・ヘリックス構造をとる人工タンパク質Ant-Fの設計に成功している。アポAnt-FはATリッチなDNAに対し結合し、ホロ体は、DNA結合能を喪失することが分かっている。このAnt-Fに、亜鉛イオン存在下においてGCリッチな配列に結合することの知られているSp1DNA結合ドメインをつないだ融合タンパク質の遺伝子を設計した。融合タンパク質を得るために、大腸菌にて発現させた。各種発現条件を検討した結果、可溶性画分として融合タンパク質を発現させることに成功した。次に、クロマトグラフィー精製における条件を検討した結果、イオン交換クロマトグラフィーと、逆相クロマトグラフィーもしくはゲルろ過クロマトグラフィーを組み合わせることにより高純度のタンパク質を精製することができたMALDI-TOF-MSにより、精製したタンパク質の分子量を測定した結果、理論値とほぼ一致したことから目的とするタンパク質であることが分かった。この結果から、異なるDNA配列に結合する二つのタンパク質の融合タンパク質の創製に成功したといえる。
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Research Products
(3 results)