2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患治療を目的とした新規機能性ペプチド及び粉末吸入製剤の戦略的開発
Project/Area Number |
20790103
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
尾上 誠良 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (00457912)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 血管作働性腸管ペプチド / 粉末吸入製剤 |
Research Abstract |
本研究は,その患者数急増が予期されているものの充分な治療法がまだ提示されていない慢性閉塞性肺疾患に対して有効かつ安全な治療法開発を目指すものである.強力な抗炎症作用ならびに抗アポトーシス活性を有する新規機能性ペプチドを開発し,それを粉末吸入製剤として喘息/慢性閉塞性肺疾患モデル動物に投与することで,「気道炎症改善」「肺胞アポトーシス抑制」「気管支拡張」の3者を同時に達成することにより,新規メカニズムの治療薬創製に寄与しようとするものである. 1.COPDモデル動物の構築ならびに血中バイオマーカーの探索 各種評価によって選定されたCOPDモデル動物を対象とし,肺・気道組織を摘出しアポトーシス関連物質の発現とCOPD様の病態形成が誘導を確認した.肺洗浄液中の細胞画分についても評価し,従来のモデル動物との相違点を明確にし,本モデルの有用性を網羅的に精査した. 2.VIP受容体アゴニストを用いた吸入製剤設計 化学合成された新規誘導体を粉末吸入製剤システムに適用して気道内投与用の製剤を得た.作製した製剤についてはレーザー回折法,粒度評価,カスケードインパクターによるin vitro動態予測を行い,製剤特性について各種精査を実施すると共に,その安定性についても併せて検証した. 3.COPDモデル動物に対するVIP受容体アゴニストの効果 作製した新規機能性ペプチド吸入製剤をCOPDモデル動物に投与し,炎症・アポトーシス関連各種血中バイオマーカーの変動ならびに肺組織形態変化を指標として新規誘導体の効果を評価し,新規機能性ペプチドによるCOPD治療の可能性を示唆する知見を得た.
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